Q1.新飛行ルートでどう飛ぶの?
A1.●2020年から飛ばすと言っています。
●陸上を低空(大井町上空305m・川崎市の石油コンビナート上空)で飛行機が飛ぶようになります。
●15時から19時の間、一時間に90便飛びます。(現在80便:海から入り、海に出るという大田区民との約束があります。それを80便から90便に、10便増やすためにこの約束を反故にし、陸上のコースに変えようとしています。)
●新飛行ルート下の自治体
大田区・川崎市・品川区・目黒区・港区・渋谷区・新宿区・中野区・杉並区・豊島区・練馬区・板橋区・北区・和光市・戸田市・蕨市・朝霞市・さいたま市など
Q2.便利になるとおもっていたが、何が問題なのでしょう?
A2 首都東京などの密集市街地、石油コンビナート上空などを低空で飛ぶことが問題です。
●飛行機はクリティカルイレブンミニッツと言って離陸3分、着陸8分が最も危険だといわれています。新飛行ルートは、この危険な11分の間に危険地域・都心密集地を飛ぶことになります。特に、B滑走路南西むき離陸は、これまで制限していた川崎市の石油コンビナート上空を低空で飛ぶことになります。
●これまで飛んではいけなかったところを飛べるようにするのであれば、どのような対策をとるのか、示す必要がありますが示されていません。それどころか、国交省の検証しているのは機体の安全であり、下に住む私たちの安全は検証していない というのです。
●落下物
点検する、ヒーターを取り付ける、と言いますが、開港以来努力を重ねても、成田市の落下物は無くなりません。
成田市では、上空で凍った氷や部品などの落下物対策として太平洋で着陸の車輪を出すことにして2000年に19件だった落下物を年数件に減らしましたが、それでも、落下物はなくなりません。幸い、周辺に田んぼや畑が広がる成田空港周辺では、人的被害は出ていませんが、これが密集市街地となればどうなるでしょう。
●騒音
国交省の基準では、新飛行ルートにおいて防音対策の必要な場所はありません。要望に応え、病院や学校の防音対策については制度の運用を弾力化すると言っていますが、教室や病室の中だけが静かならそれでいいのでしょうか。
●大気汚染
飛行機は、膨大な量の排気ガスを出します。
飛行ルートが変わり私たちの上空を飛ぶようになれば、窒素酸化物、硫黄酸化物、光化学オキシダント、浮遊粒状物質などの影響が大きくなりますが、環境アセスメントは行われません。
環境アセスメントは滑走路建設などに伴い行うが今回はルート変更だけだから不要というのが国や大田区の考えですが、だからと言って排気ガスによる大気汚染の影響がないわけではありません。
(引用元)http://nasurie.com/report/community/2211/
Q3.外国でも飛んでると言ってるけど? 密集市街地の低空飛行は世界の非常識
国交省はこうした密集市街地を飛ぶ例は外国にも国内にもあるとして、ロンドンのヒースロー、アメリカのニューヨーク周辺のJFK、ラガーディアなどの空港や、伊丹、福岡をあげています。
国交省が、海外でも市街地を飛んでいると例にあげているニューヨークやロンドンは、市街地までの距離が異なるうえ、緩衝帯が設けられたり、海や川を使っているなど、周辺環境も異なります。
下図の緑の円、白い円がわかりますか?
10km、20km、30kmというラインがあります。
上のヒースロー空港からロンドン市街地までは20kmを超えていますし、その間には緩衝帯が広がっています。
以前に大田区の初代観光課長だった元JALの課長から参考図書とともに、海外では空港周辺に緩衝帯を設けるようになっているということを教えていただきました。
下はニューヨークですが、楕円の空港は海に隣接していて、海上などを使って離着陸しています。
伊丹についていえば、危険だったからということで莫大な費用をかけ関西国際空港を作ったはずですが、「地元要望」で飛ばすことになっているという非常に特殊な事例です。