2017年9月30日の朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASK9X6RTJK9XUTIL07Y.html
空から看板が降ってきた、と思ったら航空機の部品だった――。
全文は上記URLで読んでいただくとして、肝心の対策はどうなっているのか。国交省は所詮部品や氷塊の落下を100%なくすことはできないというシンプルすぎるほどシンプルな事実を認めるべきではないのか。
■点検見直しで対策
対策はどうなっているのか。
航空各社は部品の脱落が見つかると、関係部位の点検方法を見直したり、メーカーと相談して設計を変更したりしている。機体に氷結防止のヒーターをつけるなどの対応もとっている。それでも、気温や気圧の変化が大きい中、振動しながら高速で飛び続けるため、多少のネジの緩みや部品の破損は避けられない部分もある。
被害が出れば航空会社が賠償するのが原則だが、原因機を特定できず、賠償が難航する恐れもある。被害を最小限にするため、振動を伴う「車輪出し」の操作を海上で行わせている空港もある。航空大手の整備士は「落下ゼロに向け、さらに努力を続けるしかない」と話している。
記事のコピー:
空から看板が降ってきた、と思ったら航空機の部品だった――。今月、大阪市では落下したパネルが走行中の車を直撃。4日後に茨城県稲敷市でも見つかった。なぜ、そんなに落ちるのか。
関空離陸便から機体の一部が落下 走行中の乗用車を直撃
旅客機パネル、全日空機から落下 翌日も同機体から落下
23日正午前、大阪市北区の国道1号を走っていた乗用車の上に、重さ約4・3キロの板状の物体が落ちてきた。縦横約1・1メートル。けが人はなかったが、後部の窓ガラスが割れ、屋根がへこんだ。
物体は「看板」ではなく、関西空港発オランダ行きのKLMオランダ航空機(ボーイング777型)の右主翼の付け根のパネルだった。同社は被害者に謝罪し、補償の準備を進めている。
4日後の27日。今度は茨城県稲敷市の鋼材加工メーカーの敷地で、航空機のパネルが見つかった。強化プラスチック製で縦約60センチ、横約147センチ、重さは約3キロ。今月7日に、中国から成田空港に向かっていた全日空936便(同767型)が落としたものと判明し、全日空が謝罪した。
いずれのケースも、機体の整備や点検に何らかの問題があったとみられ、詳しい原因は国の運輸安全委員会や両社が調査中だ。
実は、部品などの落下はほかにもたくさん起きている。
国土交通省によると、昨年10月までの7年半に437件、部品脱落の報告があった。この期間に人的な被害はなかったが、平均すると1年間で約50件以上起きている。ただ、国交省が報告を義務づけているのは国内の航空会社や個人などで、「金属100グラム以上」など一定規模の部品に限っているので、その他の部品がもっと落ちている可能性がある。
飛行後の整備で脱落が判明したものの、落下物が見つからないことも少なくない。海外の航空会社には報告義務がないため、KLM機のケースも海や山など人目につかない場所で起きていれば、公にならなかったかもしれない。
パネル、ライト、ブレーキディスク、ボルト、バネ、羽根状の金属――。過去に航空機から落ちた物は様々だ。
2009年には新千歳空港の敷地内に長さ約4メートル、重さ約23キロのタイヤの一部が、12年には羽田空港で長さ約2メートル、重さ約20キロのカバー部品が落下。部品以外にも、機体についた氷の塊が落ち、民家の屋根や車を壊したこともある。
人的被害もあった。05年8月には、福岡発ホノルル行きのJALウェイズ機が離陸直後、エンジン内部が破損して多数の金属片が市街地に散乱した。金属片が当たって中学生が肩を打撲し、破片を拾った男性が指にやけどをした。
対策はどうなっている…