10月29日、新宿文化センターにて、「東京国際空港の指定した円錐表面および外側水平表面の変更に関する公聴会」が開かれ、55人の公述人のうち、32人が反対の公述をしました。どの公述もそれぞれの立場から深く問題に切り込んだ素晴らしいスピーチ。一人10分までという厳しい時間制限のために、用意した原稿を全部読みきれなかった公述人もいました。
逆に、賛成の公述は概して短く、国交省の言葉をそのまま繰り返しているような、血が通わない乾いた言葉にしか聞こえませんでした。
同じ日、パブリックコメントの締切日でした。
羽田空港増便問題を考える会のメンバー(N氏)による、とても説得力のあるパブリックコメントをご紹介します。
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「東京国際空港の指定した円錐表面及び外側水平表面の変更」に反対です。 現状維持を求めます。
この「変更」は東京国際空港(=羽田空港)の国際線増便のための飛行ルー ト変更によるもので、そもそも「増便」の必要性はありません。加えて、増便 のために新たに都心低空飛行ルートを設けることはその下に住む人々の生活を 脅かすもので、認められません。
国土交通省は「羽田空港国際線増便の必要性」について国民が納得できる説 明を未だにしていません。住民説明会での質問に答える形で「人口減少や少子 高齢化が進む中、日本の経済社会を維持・発展させていくためには、今後より 一層諸外国との結びつきを深めていくことが重要です」と言うものの、それが なぜ羽田空港なのか、国際線増便なのか、飛行ルート変更なのか、2020 年春 なのか、その根拠を示していません。そのことは、今もって、新飛行ルートに 関係するすべての区や市が国土交通省に「引き続き丁寧な説明とさらなる情報 提供」を求めている実情を見れば明らかです。
2019 年 8 月 8 日、国土交通省は「地元の理解を得られたとの判断」により、 「羽田空港において 2020 年 3 月 29 日の夏ダイヤからの新飛行経路の運用開 始及び国際線の増便を行うこととし、今後、各種の手続きを進めてまいります」 と決定を発表しましたが、上記の疑問と合わせ、騒音、落下物の問題が払しょ くされておらず、「地元の理解」は得られていないのが本当です。前提となる条 件を満たしていない「決定」は無効です。
よって、「東京国際空港の指定した円錐表面及び外側水平表面の変更」は無効 とし、現状維持を求めます。
以上